柔整の未来セミナー

 10月23日参議院議員会館に於いて「「柔整業界の未来を語るセミナー」を(一社)全国柔道整復師連合会の主催で開催いたしました。台風が首都を直撃した直後また平日の昼間にも関わらず多くの柔道整復師の皆様に参集いただきました。

 お二人の東京大学医学部の先生をお招きしました。
生物統計学や疫学の権威である東大名誉教授の大橋靖雄先生
TV等で有名な腰痛の権威者東大22世紀医療センターの松平浩教授です。
第1部は松平先生の講演「腰痛診療のこれから~健康寿命の延伸に向けて」
第2部は大橋先生、松平先生、全整連の田中会長に加わっていただき「柔整の未来」と題してのパネルディスカッションを行いました。コーディネーターは私が務めさせていただきました。

 まず第1部の講演の話は驚くべき内容の話でした。腰痛の85%は非特異的腰痛。即ち明らかな異常や病気を伴わないものだということです。それは姿勢を正しくさせ、正常に歩かせることでほとんど治る。というものでした。その実技の映像はまるで私たちの整骨院で日常的に行っているものとほとんど変わりのないものでした。即ち「整骨・整筋・整膚」によるアライメントの調整であり、「緩める・整える・鍛える」ことにより正常体型に戻しての正しい歩行による運動だったのです。

 
 
第2部においては柔整の可能性について意義深いお話を伺いました。
急速な高齢化・膨れ上がる医療費・財政の悪化。そんな中で柔道整復師は医療費に比べ柔整療養費は1/3以下。地域に密着した7万人の医療マンパワー。副作用のない理学療法。このような利点があります。これを2025年問題の解決に使おうとする提案です。いわゆる2025年問題は高齢人口(65歳以上)が全体の1/3を超え、後期老人(75歳以上)が20%を超え、認知症人口が10%を超える可能性があるというものです。これに整骨院という場を活用しよう。柔道整復師という人財を活用しようとするものです。日本の国民を「寝たきりにさせない・車いすに乗せない」は高齢者自身最も望むことであり、整骨院や柔道整復師が出来ることなのです。整骨院を地域の健康センターとして正しい医学知識・調整技術・健康運動の発信基地にしていこうという構想です。
地域包括ケアも活かしながら厚労省や業界各所と話し合いを通じて一日も早い実現が必要との想いを強くしました。

 この「柔整の未来セミナー」第2回3回と続けて、国民健康に貢献する明日の明るい業界を作りたいと思います。

出版物紹介

からだの「ゆがみ」を治して健康になろう!

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整骨医学が地域を救う
  ―骨と筋のスペシャリストCMCグループの挑戦

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