臨床実習に関する柔道整復を行う施術所の要件について
柔整学校は「柔道整復師学校養成施設指定規則」によって定められていますが、これが今回大きく変わります。
主な改正としては、柔整学校のカリキュラムが変わり、臨床実習が1単位から4単位へ拡充されます。
平成10年から比べると平成29年度(4月現在)において、文部科学省指定の大学も含めると、全国109施設の定員数は約8千4百人です。約8倍の増加となっています。いろいろな不正問題もあり、学校養成施設における臨床実習の充実等を通じた、柔道整復師の質の向上などが求められてきました。 これが柔道整復師学校養成カリキュラム等改善検討会で取りまとめられ、医道審を経て実施の段階に来ています。何が変わったかというと以下の項目です。
1.総単位数の引き上げ、最低履修時間数が変わります。
現行の85単位から99単位へ
2480時間から2750時間以上へ 新たに必要な教育内容が付加された
2.臨床実習の在り方が変わります
臨床実習は学内に於いて行われていたが、この実習施設要件が拡大されます。
整骨院や接骨院でも臨床実習を受け入れられるのです。ただし以下の要件と、指定された16時間の柔道整復師臨床実習指導者講習会を受け臨床実習指導者にならなければいけないことです。
①臨床実習における到達目標が設定されており、これに沿って実習が実施できること。
②5年以上の開業経験があること。
③専任教員の資格を有する柔道整復師、又は5年以上実務に従事した後に厚生労働省の定める基準に合った「柔道整復師臨床実習指導者講習会」を修了した柔道整復師である臨床実習指導者が配置されていること。
④過去1年間の施術日の平均受診者数が20名以上であること。
⑤臨床実習の実施に関し必要な施設及び設備を利用することができること。
⑥過去も含め療養費申請資格停止等の行政処分を受けていないこと。
⑦臨床実習を行うに当たり、患者に対して臨床実習を行うことを文書により同意を得ること。 なお、学校養成施設附属の臨床実習施設以外の柔道整復を行う施術所等において臨床実習を行おうとする学校養成施設は、あらかじめ行政庁に対して届け出ることとする。(変更になった場合にも届け出ることとする。) 臨床実習を受け入れる整骨院・接骨院はここをよく理解しなければいけません。
3.専任教員について
総単位数の引上げ等に対応するため、専任教員数を5名以上から6名以上になります。また、学校養成施設附属以外の臨床実習施設で実習を行う場合には、専任教員のうち、専任の実習調整者を1名以上配置することが必要です。
4.その他として
基礎分野14単位のうち、7単位を超えない範囲で、通信教育等の活用が可能になり、学校の備えるべき備品の変更があった。
これらのことを厚労省は平成30年4月の入学生から適用する予定です。
我社も学生の臨床実習の受け入れには積極的に参画し、柔道整復師の質の向上に貢献したいと思っています。
以下が厚労省の資料です。一読をお願いします。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000144985_1.pdf
出版物紹介
からだの「ゆがみ」を治して健康になろう!
西東社 近藤昌之著
整骨医学が地域を救う
―骨と筋のスペシャリストCMCグループの挑戦
アイエヌ通信社 鶴蒔 靖夫著