社主コラム
保険者の逸脱した行為
安保法制の真っ只中、国会で「柔道整復師の業務を考える議員連盟」が開催されました。出席議員は、川端衆議院副議長をはじめ11人。業界側は約30名、厚生労働省からは保険局医療課の木山療養指導専門官をはじめ6名が出席されました。
今回の主な議題は、①超音波画像診断装置、いわゆるエコーの点数化(料金化)に向けて。②保険者による度を越した患者紹介の是正。③それに伴う個人情報保護について。です。
まず、エコーについですが、いまや柔道整復師の施術に欠かせないものです。何とか料金化に向けて折衝しかなくてはなりません。
次に患者紹介についてですが、これは全柔道整復師が困っていることだと思います。多くの保険者は適正な取り扱いをしていますが、特に健保組合に逸脱した傾向が見られます。健保組合は大企業に多く、いわゆる国保や協会けんぽが審査を委託している公的審査会を活用していません。実際に審査を委任することができますというだけです。
以前は、健保組合も公的審査会に審査を委任していた時もありました。しかし、審査手数料や柔整師が柔整師の支給申請書を審査するわけですから、信用できない!ということもあり、委任する健保組合が減少してしまいました。保険者の立場を考えると、理解できないこともないのですが・・・。
しかし、問題は支給決定権限の無い民間業者が、保険者から審査を委託され、かなり乱暴な照会業務を行っていることです。保険者は審査を丸投げし、逸脱した照会業務を黙認しているわけです。しかも、それらに支払われる審査手数料は私たちが納めている保険料から拠出されています。
国家資格を持つ柔道整復師が行った施術内容を、現場を理解していない民間業者が勝手な判断をするわけです。患者さん、つまり被保険者の負担を軽減するどころか、逆に迷惑を掛ける結果になっています。この問題は厚生労働省も頭を悩ましていますから、今後もしっかりと折衝していく必要があります。
我々は、自らの施術に自信を持ち、患者さんの同意を得て、施術録にはしっかりと記載していく。当たり前のことを続けていくことが、我々自身を守ることにつながりますので、今後も頑張っていきましょう!
業界の力を結集して
柔道整復療養費の改定を来年に控え、徐々に関係機関の意見が出てきました。
このような中で、公益社団法人日本柔道整復師会(以下、日整)と協働する一般社団法人全国柔道整復師会(以下、全整連)の理事・役員会に出席し、今後の柔整業界について意見交換を行いました。
財務省は、①部位数・施術回数・施術期間について、料金の包括化、長期・頻回に関する給付率引き下げ、②支給対象の見直し、③受領委任払いが実施可能な施術所の限定、④不適切事例への調査・監督の強化を提示してきました。特に①については、厚生労働省や保険者でも議論の中心になってくるでしょう。
今後、議論の舞台は厚生労働省主催の「柔道整復療養費検討専門委員会」に移されます。ここでは、業界の現状をしっかりと伝え、柔道整復師の皆さんが治療に専念できる環境づくりを行っていかなければなりません。
そのためには、業界全体の力が必要です。一人一人の柔道整復師の力が必要です。この素晴らしい徒手整復の技術を後世に残していくことは、今を生きる私たちの使命だと思っています。
誰もが誇りと愛着をもって、国民の皆様に信頼される柔道整復師を目指して、今後も皆さんと共に頑張ってまいります。
「行くに小径(こみち)に由(よ)らず」
33年住み慣れた船橋を離れて両国に引っ越しをしました。
事業も生活も人生もほぼ船橋の街で生み出し、船橋で育ち、船橋には感謝しきれないものがあります。事業展開の必要性から3年前に本社を東京に移しました。より時間を大切にする意味からも会社の近くに住まいを探しておりました。
新しい住まいから会社まで3.4km。今なるべく歩いています。徒歩で40分前後です。歩くに当たりいろいろな道を試しました。少しでも時間を短くする、そんなチャレンジを繰り返してきました。そんな中で二つ気付いたことがあります。
家から会社まで十数か所の信号があります。この待ち時間が大きな問題なのです。運よく青信号に恵まれると、今のところ最短36分で会社まで来ることが出来ます。時間のロスを埋めようと赤信号をわたると、ひどい目にあいます。交通量が多いので非常に危険です。
当然のことながら信号は守らなければなりません。この信号はちょうど企業のコンプライアンスにあたるような気がしてならないのです。時間は少しロスするが安全を確保されるのです。
もう一つは家から会社の方角にジグザグに進む方法です。もちろん赤信号を避けるため、コーナーを迂回していくのです。時間短縮にはしごく当然のことだと思っていました。ところが不思議なことに時間が短縮しないのです。なぜだと思いますか?角を曲がるときにスピードが落ちてしまうのです。かえって効率が悪いのです。
結局、最初に計画した一番最短と思われる太い道を、まっすぐ歩むことが一番の短縮ルートだったのです。なおかつそれが疲れないのです。
論語にも「行くに小径(こみち)に由(よ)らず」。の言葉がありました。王道と思われるまっすぐ道を歩もうと再確認する今日この頃です。
国会での動き
昨年12月に、財務省が「定額制の導入」と「受領委任払いが実施可能な施術所の限定」の検討を提言しました。来年は療養費の改定も控える中、国会での動きを探るべく、いくつかの会合に出席しました。
まず、柔道整復師を応援する『平成27年度全国都道府県推薦議員会』。伊吹世話人代表をはじめ、田村前厚生労働大臣、丹羽元厚生大臣、鴨下元環境大臣などの世話人議員の皆様。また、石破大臣や茂木大臣などの閣僚、野田税調会長など総勢約150人の国会議員が参加されました。
ここでは、療養費の改定や卒後臨床研修制度、地域包括ケアシステムへの参入など、柔道整復師の将来像について話が行われました。
公益社団法人日本柔道整復師会(以下、日整)の工藤鉄男会長は、業界の適正化へ向けて日整と一般社団法人全国柔道整復師連合会(以下、全整連)が協力して活動していくとご挨拶され、私たち全整連のメンバーの紹介もしていただきました。このような公の場で、日整と全整連の協力関係について述べられたことは、かつて無かったことだと思います。業界の統一へまた一歩近づいてきたと感じました。
次に、参議院会館で開催された『柔道整復師の業務を考える議員連盟』。武正会長をはじめ、岸本議員、泉議員、大西議員など多くの国会議員による議員連盟です。ここでは、厚生労働省保険局医療課、保険局保険局保険課、医政局医事課など行政の実務担当者が出席され、現場での問題点について活発な意見交換を行いました。
例えば、患者照会についてです。現物給付と現金給付の違いもあり、患者照会は違法ではありません。しかし、あきらかに度を越した患者照会は、「被保険者の負担の軽減」という点を逸脱し、保険者側の先入観や仮定の判断を踏まえた誘導的な聞き取りが行われ、逆に患者さんに負担を強いる結果になっています。
厚生労働省保険局保険課からは、「柔道整復師の施術の療養費の適正化への取組について(平成24年3月12日付、連名通知)」を踏まえて、適切な患者照会の実施を行っていない保険者に対しては個別指導を行っていただく回答をいただきました。
私たちは、誰もが誇りと愛着をもって、国民の皆様に信頼される柔道整復師を目指し、業界の健全なる発展と信頼性向上のため、今後も与野党の国会議員に働きかけ続けます。
亀田メディカルセンターの想い
有名な亀田総合病病院に行ってきました。
医療法人鉄蕉会の亀田隆明理事長とお話をさせていただきました。
<亀田メディカルセンター>
『亀田メディカルセンター』は、千葉県鴨川市にある亀田総合病院を中心とした、亀田クリニック、亀田リハビリテーション病院などの医療サービス施設の総称です。
診療科目34科(亀田クリニックは31科) 1日の平均外来患者数3,000名の大医療法人です。
(亀田メディカルセンターHPより引用)
以下、3つの疑問をもって病院視察をおこないました。
Q)千葉の南、太平洋に洗われる人口33000人の鴨川市にある亀総に
どうして一日3000人の患者さんが来院するのか?
Q)このような立地に医師450人、看護師900人、総スタッフ3000人を擁する医療タウンを
どうして作れたのか?
Q)医療ツーリズムはじめ北京への病院出院等、
発展前進の秘密は何か?
このような疑問を、亀田隆明理事長にぶつけてみました。秘密はその考え方にありました。
「あなたが病気になったらどのような病院に入りたいか?」
すべてはこれを原点としてすべての規則に優先する。この考え方で病院を作っているそうです。
・面会時間の規定はない。患者さんが許可すればいつでもだれでも入ることが出来る。
・自分のカルテはPLANETというシステムを通じていつでも見ることが出来る。
・食事制限のない患者さんは自分で好きなメニューの食事を選べる。
・相部屋でも間仕切りがしっかりしていてプライバシーが守れる。
・すべては患者さん目線に
・霊安室は最上階。海の見える一番良い場所に。牧師さんも常在。
等々、たくさんの事例がありました。
理事長が示した行動原理は2つありました。
Always Say Yes!
Do&Think
やろうとすることにNOと言わない。Yesから行う。答えは必ず見つかる。
行動してから考える。
弊社が取り組まなければいけない多くのことを学びました。
亀田メディカルセンターの理念のリンクを貼らせていただきます。
亀田メディカルセンター理念
院長チャレンジ研修
2月9日から28日まで3週間、弊社恒例の院長チャレンジ研修を行っています。
ここでは、弊社の院長候補が一堂に集まり、徹底的に院長になるためのトレーニングが行われています。
受講生も必死に、私はじめ講師陣も渾身の力で教え合い・学び合います。
この研修には参加条件があります。
①院長になりたいと強い意志を持っている
②担当院の患者さんから先生もそろそろ院長ねとたびたび言われる
③担当院の院長の許可がある
④卒後臨床研修終了もしくは終了見込みである
⑤カレッジの指定項目並びに教員試験に2科目以上合格している
この参加条件を満たし、面談を終了したものが受講資格を得るのです。今年は8人の院長候補が研修を受けています。
カリキュラムはCMCマインド・患者さんの心・リーダーシップ・マネージメント・繁栄する院長学・レセプトなどの座学、
CMC医学・傷病学・東洋医学・新患のとり方・・JDCアスター・骨折脱臼実技・調整実技等の実技講習、
広報販促・受付事務・カルテ講習・亜急性講習・エコー・治療計画・交通事故労災生保の取り扱い等の事務講座等、
院長として必要なスキルの習得をさせます。
その他、院長として必要な項目の討論・共感論争そして繁栄院研修と盛りだくさんで中身の濃い内容になっています。
今年はこの中から何人の院長が誕生するのでしょうか?とても楽しみです。
いずれにしても生涯を患者さんと共に歩んでいける自分への3つの問いかけの研修でもあるのです。
努力・感謝できる謙虚さを持っているか?
より以上を目指しているか?
人の役にたとうとしているか?
2015年 明けましておめでとうございます
明けましておめでとうございます。
人のやる気の源泉はほめられること。
「ほめられる自分(院)になる」
~言葉にする・鍛える・教える~
患者さんやお客様・利用者さんからほめられる自分、院を作ることに精進いたします。
言葉にする・鍛える・教えるというキーワードを中心に、
結果として ほめられることではなく、ほめられるためにどうするかを考え
計画し、実行していくそんな一年にしてまいります。
患者さんや利用者さんに、私どもの医療をわかりやすくその効果性を言葉にします。
新しい整筋運動を取り入れ怪我や病気をしない身体つくりをします。
カレッジ教員を増やし、各分野のインストラクターを増やしていきます。
今年も「整骨医学を医療のファーストステージに」するべく邁進いたします。
本年もよろしくお願い申し上げます。